クアンチー省カムロー県カムアン社に属し、ホイソン運河の南岸に位置するフォーライ村は、ホイソン運河やヒエウ川などの水運網と、かつての幹線道路「天理路(Thiên Lý)」が交差する交通至便な地にあります。この利点により、フォーライ村では古くから交易や手工芸、伝統的な商業活動が栄えてきました。古来より村は、伝統の手漉き紙(ザ紙・粗紙)作りと消石灰(しょうせっかい)作りという2つの代表的な伝統工芸で名を馳せてきました。現在でも消石灰作りは小規模ながら続けられており、伝統建築や地域生活の需要を支えています。一方、かつて隆盛を誇った製紙業は1975年以降次第に衰退してしまいましたが、「カウフオンザイ(製紙座の橋)」という地名などを通じて、今も地域住民の記憶に深く刻まれています。

カムロー県の他の古村と比べて形成された時期は遅いものの、フォーライ村は瞬く間にこの地域の重要な物資生産拠点となりました。生産された紙や消石灰は、自家消費だけでなく、かつてクアンチー省随一の商業中心地であったソン市場やフィエン市場などの大市でも広く取引されていました。現在でも村には、水田や古井戸、ガジュマルの巨木が広がり、手仕事の素朴な営みが続く、ベトナム中北部ならではの穏やかな田園風景がそのまま残されています。
経済的な価値だけでなく、フォーライ村は強固な地域社会の結束力でも知られています。村人たちは伝統工芸を守るだけでなく、トゥイロック(クアンビン省)出身の家系をはじめとする先祖伝来の風習や慣習を大切に受け継いできました。これらすべてが、フォーライ村独自のアイデンティティを形作り、幾世代にもわたるクアンチーの人々の勤勉さ、創造性、そしてたくましい適応力を今に伝えています。



