タンチャは、洋梨のようなほっそりとした形をした貴重なポメロの品種で、一般的なザボンよりもはるかに小さく、重さは約0.7〜1kgほどです。熟すと果皮は日差しのような黄金色に変わり、果肉は透明感のある淡い黄色でみずみずしく、何よりも他の果物にはない優しく爽やかな香りを放ちます。
この果実は古くから古都の地に根付いており、中でもトゥイビエウ地区のタンチャが最も有名です。この地はフォーン川沿いに位置し、毎年の洪水によって運ばれる肥沃な沖積土に恵まれています。干ばつや台風、長雨といった厳しい気候の移り変わりと重なり合うことで、他にはない独特の上品な甘みを持つ果実が生み出されます。

かつてトゥイビエウのタンチャは、グエン朝(阮朝)の歴代皇帝に愛され、宮廷への献上品として厳選された最高峰の特産品の一つでした。かつて午門(ゴモン)で執り行われていた厳かな「タンチャ献上の儀」は、現在でも毎年9月に開催される「フエ・タンチャ祭り」の中で再現されており、この貴重な特産品を讃え広めるユニークな文化の美として受け継がれています。


