バクマ国立公園を際立たせている特徴の一つは、標高によって変化する自然の景観です。標高が高くなるにつれて景色や植物相が独自の表情を見せ、類まれな多様性を誇る常緑の森が形成されています。統計によると、バクマ国立公園にはベトナム国内で記録されている植物種の約17%に相当する約2,421種の植物が生息しています。林床に広がる小さなコケ類から数十メートルの巨木に至るまで、森の各層がバクマの豊かな生態系を形作っています。
分布:熱帯季節雨林の常緑樹林(標高1,000m未満)と亜熱帯性常緑樹林(標高1,000m以上)が広がり、一年を通して緑豊かな植生を保っています。
種構成:
菌類(キノコ):55科332種。
コケ植物:27科89種。
シダ植物:28科182種。
裸子植物・被子植物:1,818種。これにはポームー(Fokienia hodginsii)、ジンコウ(Aquilaria crassna)、トンキングマメ(Sindora tonkinensis)、ジュエルオーキッド(Anoectochilus setaceus)など、ベトナムのレッドデータブックに掲載されている74種の希少種が含まれます。
ベストシーズンにトレッキングをすれば、樹高30mを超えるチョーデンの巨木や、3月頃に見頃を迎えるシャクナゲの群生に出会うことができます。連なる緑のグラデーション、大小の樹木、つる植物、小道を覆う豊かな下層植生が、バクマの森ならではの独特な雰囲気を醸し出しています。
この豊かな植生はバクマ国立公園の美しさを創り出すだけでなく、多くの野生動物にとって重要な生息環境を提供し、ベトナム中部において極めて価値の高い天然森林生態系の維持に貢献しています。



